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いよいよ「生きもの田んぼ」づくりです

 さてさて、「生きもの田んぼ」づくりの作業報告です。
場所は前述の通り棚田の一角、もう20年以上も耕作されていない田んぼ跡です。広さは3畝(90坪)ぐらいでしょうか。

 
まずは2月初旬、日ごろから草花調査なども一緒にやっている、NPO法人・くすのき自然館からT氏とN氏にも参加してもらって現地調査を行い、大まかな設計図を作成しました。池の形に沿って、竹を立てて行きます。掘るときの目安とするためです。 
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3月中旬、いよいよ作業開始です。結構大きな池となりそうなのでユンボを借りてきました。ところがスタッフの中に、だれもユンボを操作できるものがいません。何となく私がやることになってしまい、試行錯誤、悪戦苦闘、艱難辛苦?見よう見まね、成せばなる、冷や汗をかきながら何とか操作できました。
他のスタッフは私がかなり大雑把に掘った穴の周りを、スコップや鍬で整えていくという手順です。 
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田んぼ跡ですから、耕盤(水漏れを防ぐ地盤)がもともとあるので、水漏れの心配がありません。ただ穴を掘りさえすれば池になるということです。

びお説明  

上の写真の「田んぼ」と書いた部分は、隣の田んぼに中畔を作って“ビオトープ”の一角としたところです。ここは水路(ピンク)に近い部分にかなりな水量の湧水があって、そのために夏でも水温が低く、稲の生長が悪い所でした。こんな事情もあってもともとの田んぼと切り離すのと同時に、水路で池とつないで水の流れを作り、池の水量も確保する狙いです。

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写真でもお分かりのように、池は水深が場所によって変わるように作っています。田んぼの水深は10cmぐらい、池は10~60cmぐらいでしょうか。

bio作業3 bio作業4 谷川

この場所は前述のように田んぼ跡です。ところどころに水溜りがある湿地帯のようになっていて、イモリやトンボのヤゴ、カエルなどが住処にしていました。しかし、渇水期には水がなくなります。こんな時、生きものたちは隣の田んぼに避難していたようです。そこでここに水を引いて常に水がある状態を保ち、周辺の田んぼや隣を流れる谷川(写真の右側)などと一体のものとして、生きものたちの住処にしようとしたのです。

もちろん、糸トンボが産卵に使うなど葦などが生えた湿地も大切な場所ですから、かなりな部分を残しています(写真左から下にかけての部分)。

6時間ぐらいでこの日の作業を終えました。今後は池の中に小さな生き物が逃げ込める石組みや木組みを沈めたり、木道を設置するなどの作業を進めるつもりです。

 

僕らの「生きもの田んぼ」にどんな生きものたちが住みついてくれるのか。今から楽しみです。今後とも時々、様子を報告していきたいと思います。お付き合いください。

bio完成 

 

  

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ビオトープ?生きもの田んぼ?

ビオトープ作りを始めました。場所は作人塾で管理している棚田の一角です。と、ここまで書いて「ビオトープ」という言葉に、何となく違和感を覚えるというか、引っかかりを感じてしまいました。
「ビオトープ」とは、よく知られているようにドイツ語の生命をあらわす“bio”と場所をあらわす“topos”の合成語です。要するに生き物たちの住処のこと。
ネットで調べるとありとあらゆる「ビオトープ」が出てきます。中には衣装ケースに水と買ってきた金魚やメダカ、水草などを入れてベランダに出しておく「ベランダビオトープ」なんてものもありました。これなんか、金魚鉢とどこが違うのでしょう。

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私たちが作ろうとしているのも、生き物たちの住処という意味において確かにビオトープです。ですが、私たちが目指しているのは田んぼとため池、その二つの止水域をつなぐ水路(流水域)などが一体となったもの。生き物たちにとって最も重要な生育環境である田んぼとその田んぼを巡る多様な水環境を整備しようとするものです。金魚鉢ではありません。

では、ビオトープに代わる言葉はあるのでしょうか。日本では、古くから谷間の低湿地を「谷地」「谷津」などと呼んできました。「谷地田」「谷津田」はそこに作られた田んぼです。でも、これらの言葉では生き物の生息環境という意味が薄れてしまうような気がします。

「生きもの田んぼ」なんていうのも考えました。これが今のところ、僕らの意気込みに最も近いかな。
米作りが目的ではない、と言ったら言い過ぎでしょうか。もちろん田植をするのですが、米よりも生き物たちがたくさん住んでくれることを目的とした田んぼづくり。それとその周辺の環境づくり。

どうせ「ビオトープ」も合成語なのですから、僕らも「生きもの田んぼ」という造語を胸を張って使うことにしたいと思います。
さて、「生きもの田んぼ」づくりです。長くなったので作業の様子は次回に報告します。

野草を食べる会の報告です

  食べる会1

きょうは、うるし作人塾の主催で漆地域の「野草を食べる会」がありました。毎年、今の時期に食べる会をやり、1カ月ほど後には「野草のお花見会」を開きます。もう作人塾の恒例イベントみたいになりました。
漆の外から来られた一般参加者の方は15人ほど。元中学校の理科の先生で、野草に関する著書も多数出していらっしゃるKさんをガイド役に、小1時間ほど道沿いを歩き、野草の名前や見分け方を教えてもらいながらちょっとずつ摘んでゆきます。
食べる会2 食べる会11 食べる会12   


きょうの収穫は、セリ、クレソン、カラスノエンドウ、ヨモギ、ヨメナ、ノビル、ツクシ、ギシギシ…。それらをみんなで下ごしらえして、料理しました。
セリやクレソンは豆腐と白和えに。カラスノエンドウ、ヨモギ、ヨメナは衣をつけて菜種油で天ぷらに。ノビルはゆでて、くるくるっと巻いて酢みそをつけて。ツクシは卵とじ。ギシギシは三杯酢でおひたし。どれもおいしかったです。そうそうスミレは、そのまま白和えの上に載せて彩りを添えました。昼ごはんに、おにぎりと一緒に、それらを食べ、最後に「どれが一番おいしかったか」を挙げたところ、ギシギシが意外性があって高得点をつけました。

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K先生が言いました。「昔から春に芽生えたものを食べて、元気になろうという思いをこめて春の野草を食べていた」。芽吹く植物の勢いを体に取り込みたいということだったのでしょう。

芹(せり)といふ ことばのすでに うすみどり  正木浩一

どことなく 土の匂ひの 土筆(つくし)和え   中野千鶴子

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ヨメナの天ぷら      セリ白和え         ノビル           土筆の卵とじ

またおまけで、ヤブツバキも1輪、衣をつけて天ぷらにしました。私の口には入らなかったけど、見かけきれいで、春らしかった。
フキノトウも食べたかったけれど、きょうは見つかりませんでした。K先生によると「ノアザミの根っこは、きんぴらにするとおいしい」らしい。それも次の楽しみです。

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最後に、K先生の著書の一つ「万葉集の植物たち」(南方新社)には、こんな歌が紹介されています。

醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗(つ)き合てて 鯛願ふ われにな見せそ 水葱(なぎ)の羹(あつもの)     長意吉麻呂(巻16-3829)
(醤酢=しょうゆのもろみと酢。蒜=ネギやニラを総称した古い呼び名で、この歌は野に生えるヒル、すなわちノビルを題材にしているとされる。水葱=ミズアオイで葉を食用にする。)

意味としては「醤酢にノビルを混ぜたものと鯛を食べたいなあと思っているのに、うまくもない水葱の汁物なんか見せないでくれよな」。夫婦げんかかなんかの後、妻がわざと夫のきらいな水葱を食卓に出したのでしょうか。いずれにしろ千年以上の前の人もノビルをおいしく食べてたってことですね。
来月は「野草のお花見会」。里山の手入れされた田畑に咲き誇るお花を楽しみたいものです。

旬の野菜を食べる会を行いました

「マクロビで食べる旬の野菜料理」という催しを、2月21日に行いました。
これは地元密着の新たな観光の形を作ろうとする鹿児島県の補助を受けて、県下5か所で行われているイベントの一環です。わが町ではカモコレ(蒲生コレクション)の名で昨年秋に続いて、2回目の開催となりました。作人塾も昨年の、集落の食材だけを使った朝ごはんを食べようという企画に続いての参加です。

野菜は旬の時期に、その土地でとれた新鮮なものを食べるのが一番美味しいでしょう。よく言われることですが、あらゆる野菜が一年中食べられるというのはやはりおかしいと思います。我が家では夏にホウレンソウや小松菜など、冬にトマトやピーマンなどは食べません。夏、はじめて収穫して食べるトマトやキュウリの味は格別です。こんな思いを多くの人と共有したくて、この催しをやることとなりました。

この日はまず「食べる前にお腹をすかそう」ということで、我が家の畑での収穫体験をしていただきました。ブロッコリーやキャベツ、リーフレタスなど収穫した野菜は、その場で買い上げていただきました。
「こんな立派な野菜がこんなに安くていいの?」「初めて収穫した」「楽しい、また来ていいですか」重たい野菜を両手に提げて、みんな笑顔です。
こんなに喜んでいただけるとは、まったく予想していませんでした。またこんな機会を作りたいと思います。

畑体験

集落の真ん中、農協支所跡の駐車場で受付です。NHKも取材に来てくれました。
旬受付

お腹をすかせた後、いよいよ集落内の古民家再生のお宅に会場を移して食事です。料理は鹿児島市の料理研究家、浜田眞喜子さん(棚田のオーナーの一人でもある)にお願いしました。
マクロビ(マクロビオテック)は玄米菜食が基本で砂糖、動物性の油、乳製品などは使いません。旬の野菜本来の味を一番、引き出してくれるのではと考えたのです。

外園邸


旬食事

参加者の反応はねらい通りでした。
「野菜が本当に甘くておいしい」「いかに日頃、濃い味に慣らされているかよくわかった」
など、これを機会に自分の食を見直そうとする人がいたことが特にうれしいことでした。

大根ステーキ、筍ご飯、根菜の煮物、根菜揚げサラダ・春菊添え、蕪の揚げびたし、キャベツのスープなど全員が完食です。次は夏野菜がおいしい7月下旬ごろ同様の「食べる会」を開催しようと思います。
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sakunin

Author:sakunin
里ミュゼのミュゼはミュージアムの仏語。季節の移ろいの中で様々な表情を、鮮やかに見せてくれるこの「博物館」の風景、生きものたち、人々の暮らしを伝えたいと思います。

NPO法人うるし里山ミュージアム
鹿児島県姶良市蒲生町漆780
tel/fax 0995-54-3902
satomusee@gmail.com

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